物理構成
前回のエントリーで物理構成について振れましたが、ここではもう少し詳しく見ていきたいと思います。
VLAN対応スイッチにはVLAN tagという便利な機能があります。BIG-IPも同様にサポートしている機能で、考え方については"タグVLAN"や"VLAN tag"でググってください。
たとえば以下のような構成をやりたい場合、ケーブルとスイッチは何本必要でしょうか。
物理的にもこれと同じ構成にして、スイッチ3個でBIG-IPを囲むという構成がありがちなんでしょうが、VLANを使用すると以下のようにすることもできます。
スイッチを少なくすることができました。
これを見てシステムの可用性について一言言いたい人がいるかもしれません。
図では簡単のために書いていませんが、商用で使用するシステムで冗長可されていない構成などありません。このスイッチも当然二重化されるべきです。
可用性が十分と判断された後は性能のことを考えなければなりません。
インターネット回線が1GbpsだからといってBIG-IPとスイッチの間が1Gbpsで良いはずはありません。単純なWebサーバのトラフィック振り分けならまだしも、他にも処理対象とするトラフィックがたくさんあるでしょう。その場合はLink Aggregation(IEEE802.3ad)を使います。802.3adでBIG-IPが束ねられるリンク数は2のべき乗が推奨。BIG-IPの帯域にもよりますが、1600と3600なら2本、6900なら8本、8400/8800は10Gbpsを2個束ねれば良いでしょう。リンク分散アルゴリズムは以下から選べます。
- Source/Destination MAC address
- Destination MAC address
- Source/Destination IP address